
こんにちは、にしだしおです。
いつもありがとうございます。
カウンセリングをしていて、「気持ちを一緒に整理していきましょう」とお伝えすることがあります。
ところで、「気持ちを整理する」ってどういうことなんでしょうね?
お部屋の整理整頓とか、仕事のタスクの整理とかだったらわかるけど。
気持ちとか感情って実際に見たり触ったりできるものじゃないから、「気持ちを整理する」っていまいちピンとこないかもしれませんね。
「気持ちを整理する」ってどういうこと?
私たちは、赤ちゃんの頃から感情を感じています。
でも、「自分はいま嬉しくて笑ってるんだな」「誰もかまってくれなくて寂しいから泣いてるんだ」なんていうふうに、自分の感情がわかってる赤ちゃんっていないと思うんです。
誰か(たいては親)と一緒に過ごす中で、転んじゃったときに駆け寄ってきてくれて「痛かったねぇ、つらかったねぇ」って言われて、初めて「そうか私は今つらいんだな」って学んだりするんですね。
イヤだったね
悲しかったね
しんどかったね
残念だったね
寂しかったね
腹が立つよね
不安だったね
大変だったね
あったかいね
嬉しかったね
やったね!
良かったね
そんなふうに、自分が感じていることを誰かにも一緒に共感してもらって、言葉にしてもらって初めて、いま自分が感じている感情の名前を知っていくわけです。
感情に名前がつくと、自分の気持ちを大切に扱って、対処してあげやすくなるんですね。
嬉しいことがあったら、1番にパートナーに報告したい!と思ったり。
悲しいことが起きたら、泣くことで気持ちを流してみたり。
誰かにムカついて仕方ないときは、カラオケに行く!とかね。
気持ちの整理がつけられないとき
だけど、感情に名前をつけて分類できない場合もあります。
たとえば、親が忙しくてあんまり家にいなかった、とか、親にぜんぜん余裕がなくて話をちゃんと聞いてもらえなかった……みたいな状況で、充分に自分の気持ちを話すことができなかった方もいるかもしれません。
それから、たとえばいじめられていたり、学校のクラスメイトや先生との関係でイヤな思いを感じたときに。
「こんな目にあう自分が悪いのかな」と感じて、気持ちを心の中から出すことができなくなってしまう場合もありますね。
そんなふうに、子ども時代に自分の気持ち・感情を誰とも分かち合えないことが多かったりすると、
「自分の気持ちがよくわからない。何かを感じているのだけど、この感情に名前がつかない」
なんてことが起きたりするんですね。
時には、いま感じている感情が、ポジティブなのかネガティブなものなのか? それすらもわからないこともあります。
自分の感情に名前がついた瞬間
たとえば、私の場合はこんな感じでした。
「かぎっ子」って、今でも言うんでしょうか。
うちは親が共働きで遅くまで帰ってこなかったので、小学生の私は、いつも家の鍵を失くさないように首からぶらさげていました。
そして学校が終わると、誰もいない家に帰って鍵をガチャガチャと開けて、1人で過ごしていました。
両親とも、私が寝た後に帰ってくることも多かったので、親と一緒にいる時間はとても少なかったんですね。
今から思えば、当然、寂しかったんです。
だけど私にとっては「寂しい」と感じているのが「普通」の状態だったので、それを誰かに話すという発想がありませんでした。
「寂しい」って言ったら親が早く帰ってくるわけじゃないから、言ってもムダだなとも感じていたし、この気持ちをどう表現したら良いのかもわからなかったんですね。
だから私は「寂しい」って、誰にも言ったことがありませんでした。
そしてそのことを自覚していました。
むしろ「寂しい」って誰にも言わないことを、誇りに思っていたかも。
なんか、変ですよね(^^;
でも「寂しい」を耐えられる自分は、親の役に立っている!という自負があったんだと思います。
私はそんなふうにして、自分の感情を誰とも分かち合うことなく大人になっていきました。

20代も後半になったある日のこと。
職場の友だちとランチをしたときに、ふと感情の話になったことがあったんですね。
自分の子ども時代を思い出した私は、ほんとうに何気なく、友だちに「私、子どもの頃に『寂しい』って感じたことがなかったんだよね~」と話してみました。
そうしたら、彼女がちょっとおおげさに見えるくらいのリアクション(顔をクシャクシャに歪めて、よろめいていました)とともに一言、「悲しい~……」ってつぶやいたんです。
そのときの友だちの表情は、ほんとうに悲しくて切なそうでした。
私はそんな彼女のアクションにおどろきながら、
「そっか。寂しさを感じられなかった子ども時代の私って、悲しかったんだ」って思いました。
そう感じたら、なんだか悲しくなってきて、涙を必死で抑えたことを覚えています。
振り返ってみると、あのとき、友人が「親」の役割を担って私の気持ちに寄り添ってくれて、さらに私の感情を表現してくれたんだなって思います。
おかげで私は、あのとき自分の感情に初めて名前がついた感じがしました。
自分が何を感じているか?って、意外と自分1人では気づけないんですよね。
誰かに共感してもらって初めて、自分の感情を知る。
そんなこと、大人になってもけっこうあるんだと思います。
気持ちを一緒に整理していきましょう
繰り返しになりますが。
感情に名前がつくと、自分の気持ちを大切に扱って、対処してあげやすくなります。
自分で自分の感情をわかってあげられることって、すごく重要なんですね。
私のご機嫌を、私が良くしてあげることもできます。
そして周りの人に「もっとこうしてくれると助かる」「これはしないでもらえると嬉しい」なんてお願いもしやすくなるので、人とのコミュニケーションもラクになります。
この記事を読んで「わかるわ……」「私もそうかも」と思った方もいるかもしれません。
ひょっとしたら、自分の気持ちを誰にも話してこれなかったのかもしれませんね。
そんな頑張り屋さんにこそ、お伝えしたいこと。
あなたの気持ちを、一緒に整理していきましょう。
感情に名前をつけるのに、遅すぎることはありません。
何才からでも、自分の気持ちをわかってあげることってできるんですよね。
みなさんの毎日が、今よりもっと生きやすく、もっと輝きますように。