こんにちは、にしだ しお です。
いつもありがとうございます。

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私、「どん底」っていう言葉の語感にいつも感心してしまうんです。
底辺の中の底辺、もうこれ以上下には落ちられない! っていう様子が、言葉の音に詰まってるじゃないですか。
特に、自分がどん底にいる時は、そんな語感に感心してる気がします(笑)

そんな「どん底」気分だったときのお話。
そして、そこから抜けるために役に立った発想についてお話ししたいなと思います。

不安と心配で、どうしたら良いのかわからない!


私は7~8年前まで、フルタイムで働いていたんですが、あるとき、平日の朝に起き上がれなくなりました。
でも、「仕事いきたくないな~」なんてあるあるだわと思って、あんまり気にしなかったんですね。
そのうち、よくお腹をこわすようになり、そして、気合をめちゃくちゃ入れないと仕事に出かけられなくなりました。

でも、自分ではあまり不調に気が付かなかったんですよ。
というか、体調が悪いのは自己管理の問題だと思っていて、仕事となにか関係があるとは気が付いてなかったんです。

今から思えば、私はけっこうハードワークをしていました。
同僚から、「しおちゃん、客観的に見て働きすぎだよ」と心配されても、「いや~、私なんてまだまだだよ~」と謙遜してました。
別に褒められてないんだけど(^_^;
それから当時、職場の人間関係がギスギスしていて、そのことにもストレスを感じていました。

そんな状態が3~4カ月くらい続いたところで、同僚のすすめで病院に行ってみたら、「うつ病」と診断されました。

心配してくれる友人からは「しばらく休職しても良いんじゃない?」と強くすすめられ、「あー、そうできたらどんなに良いだろう」と魅力を感じ。

でも、同じく心配してくれる親からは、「なんとかなる!と思って仕事を休んだり辞めたりしても、なんともならなくてお金が底をついて余計に苦しくなった人を大勢知っている。だから将来をよく考えて選択しなさい」と言われ、そう言われると、
休みたいと思う私は甘えてるんじゃないか?
ここで踏ん張れないと、今よりもっと苦しい状況になるんじゃないか?
なんて考えて、どうしたら良いのか全然わからなくなったり。

同じ時期、夫が勤めていた会社も経営が傾き始め、2人とも仕事の危機に陥っていました。
この先、私たちは一体どうなるんだろう……?と、良い未来を全然イメージできなくて、不安と心配だらけでした。

体調不良と意欲低下で、仕事に行かなきゃと焦るのに、行けない。
仕事に行けないと、「仲間に迷惑をかけちゃう」とまた焦る。
そして、行きたいのに行けない自分は最低の最悪だ!と自分を責める。
なんの役にも立たない私は、生きてちゃいけないんじゃないかって気分になる……という悪循環で、この時期の私は24時間、いつもどん底気分でした。

「プロセスを信頼する」という考え方


その頃、私は定期的にカウンセリングを受けていて、もちろん、自分のどん底な状況も相談していました。

そのときに、カウンセラーから
「『プロセスを信頼する』っていう言葉があるんですよ」
と教えてもらったんですね。
「プロセス?なんですかそれ?」と聞く私に、カウンセラーはこんな説明をしてくれました。

「プロセスを信頼する」とは、あなたに起きた出来事を、「良いもの」として受け入れるという考え方。
物事が思い通りに行かないときに、私たちは「神様から嫌われている」とか「罰を当てられたんじゃないか」と考えたりしますが、でも、その物事の見方を抜本的に変えて、「今、私にとって良いこと、意味のあることが起きているとしたら。私はこの出来事から、何を学ぶ必要があるんだろう?」と敢えて考えてみる、という発想方法なんですよと。

じゃあ私は、今の状況から何かを学ぶ必要があるとしたらどういうことだろう?と考えてみました。

そして、思いついたのは「自分の体と心をもっと大切にする」ことと、「私の身に、そんなに悪いことは起きないと信頼する」ことかもしれないなと思いました。
(ここでは、何が正解で不正解か?ということは重要ではなくて、「今の私が学ぶべきは何か?」と考えたときに直感で出てきた答えを大切にしてみてくださいね。)

その時の私は、先のことを考えるとどんよりした気分になっていました。
「収入は断たれ、お金は底を尽き、野垂れ死ぬに違いない!」と。

でも、未来はまだ何も決まっていないのだから、もしかしたら明るい未来になる可能性だってあるんです。
それなのに、まだ来ていない暗い未来を予想して、今の気分まで暗くなるのって、すごくもったいないじゃないですか。
もし明るい未来が来るなら、いま不安になったり心配する必要がないわけで。

本当にお金が底をついてどうにもならなくなったら、それはそのときにどうするか考えれば良いや!
私は、そんなふうに頭の中を整理して、暗い未来をアレコレ考えないようにしました。

「お金は足りるかもしれないし、私は死なないし、むしろ今までよりも自由に生きられるかもしれないよ」と、良い未来がやってくることもイメージしたら、気分がものすごくラクになったんですね。

その後、私は仕事を休職することになりました。
そしてまったく同じタイミングで、夫の会社も倒産しました。

状況はまさに、どん底!!

でも、「プロセスを信頼する」という考え方を採用していた私は、こう思うことができました。
「おお、2人ともヒマができた。大人になってこんなに時間があるなんて2度とないかもしれないチャンスだから、旅行しよう!」

そして、夫婦で1カ月間、フランスとイタリアに旅行したんです(笑)
(ちなみに、夫はほとんど心配してなかったようです。楽観的……!)

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私たち夫婦に起きた事実は、なに1つ変わっていません。

でも、この状況を「最悪だ」と思って過ごすこともできるし、起きた出来事にポジティブな意味を見つけることもできる。
つまり、自分の気分は、自分で選ぶことができるんですね。

人は「選択肢がない」と感じるときにストレスを感じるものですが、この「プロセスを信頼する」という言葉は、物事の見方を変えて、感情の選択肢を増やしてくれる言葉だなと思うんです。

私たちは、とてもしんどいとき、全然笑えないとき、誰かに「愛されている」「大切にされている」と思えなかったり、「なんでこんな酷い罰を受けなければいけないの?」と神様とか、そういう何かを恨みたい気分になることがありますね。

そんなとき、「プロセスを信頼する」という考え方を思い出してみてください。

「今のこの状況が、もしも私にとって良いことだとしたら?私は何を学ぶ必要があるんだろう?」

そう考えてみると、この苦しい状況をまったく違った視点から見てみることができるかもしれません。